トリ・アングル INTERVIEW

俯瞰して、様々なアングルから社会テーマを考えるインタビューシリーズ

vol.18

自転車で切り拓く、新たなライフスタイル

近年、全国各地でサイクルツーリズムやシェアサイクルなど自転車を活用した取り組みが活発だが、自転車には観光振興、環境に優しい都市空間の創出、交通渋滞の緩和、健康づくりなど、様々な面からの暮らし向上につながる可能性がある。民間はもとより国も2017年に自転車活用推進法を施行し、5月を自転車月間と定め、18年には自転車活用推進計画を策定するなど自転車の活用推進に積極的に取り組んでいる。自動車社会の見直し機運が高まる中で、自転車をどのように位置づけていくか、各地で議論が活発になっている。

Angle A

前編

春風の中、自転車で旅の魅力を体感

公開日:2020/5/15

タレント

稲村 亜美

誰もが手軽に利用でき、最も身近な乗り物である自転車。近年、全国各地でサイクルツーリズムやシェアサイクルなど自転車を活用した取り組みが活発だが、自転車には観光振興、エコ空間の創出や健康づくりなど、新たなツールとしての役割も期待されている。国も2017年に自転車活用推進法を施行し、5月を「自転車月間」と定め、その活用推進に取り組んでいる。国の「自転車アンバサダー」をつとめるタレントの稲村亜美さんに自転車の楽しみ方を聞いた。

稲村亜美さんの生活で自転車はどんな存在ですか?

 小さいころからずっと自転車に乗り続けています。最初は、補助輪付きの自転車からスタートして、幼稚園の時には気が付くと補助輪のない自転車に乗っていました。遊園地の乗り物に乗っているような、遊び感覚で楽しんでいましたね。現在も、毎日の生活の中で自転車に乗ることが多いです。ご近所のスーパーにお買い物に行ったり、自宅から2キロほど離れた公園に遊びに行ったりします。
 お休みの日には、東京都内でも少し遠出をしてサイクリングにも行きます。例えば、お台場の海に近い道を海からの風を感じながら走っています。ここ数年は、クロスバイクを利用していて、自転車を2台持っています。最近、DAHON社の折り畳み自転車「K3」を買いました。まだ数回しか乗っていませんが、車輪が小さいのにサクサクと進んでいきます。少しこぐだけで「これだけ進んでいる」という感覚になりますね。

2017年5月に施行された自転車活用推進法で、5月は「自転車月間」とされていますね。

 5月は、サイクリングを楽しむには、街の木々の緑が目に入ってきて風も気持ちよく、1年の中でもちょうどいい時期です。自転車に乗ると、風を感じることができるので、特に目的がない時もよく利用しています。乗るだけで気分転換になりますね。ランニングもしますが、手軽に運動をしたい時には、やはり自転車に乗ります。

【自転車アンバサダーとして自転車の魅力を伝える稲村亜美さん】

稲村亜美 オフィシャルブログより

これまでに印象に残ったサイクリングコースはありますか?

 広島県尾道市から愛媛県今治市まで瀬戸内海に浮かぶ島々を橋で結んだ「しまなみ海道」ですね。道路は自転車が走るようにきちんと整備されていて、観光スポットとしても巡る場所がたくさんありました。距離は長く、上り坂はきついところもありましたが、自転車好きにはたまらないコースですね。
 ちょうどお天気も良かったので、海からの風も感じることができてすごく気持ちよかったです。自然がもともと大好きですが、しまなみ海道は、自転車を走らせると左右に青い海が広がり、「自然っていいなあ。地球はきれいだな」とあらためて思いました。1日で20キロほど走り、「運動したなあ」という気持ちにもなりました。

稲村亜美さんが考えるサイクリングの楽しみ方を教えてください。

 旅行先で自転車を使うと、その地方の良さをもっと感じることができますので、旅行がもっと楽しくなります。一般的に、観光といえば、車で目的地に行って、目的地の近くを歩いて巡るというケースが多いと思います。でも、実際に旅行先で自転車を利用してみると、少し行動範囲が広がり、その土地の新しい魅力に気づけると感じました。例えば、自転車を走らせてカフェを見つけると、「こんなところにカフェがある」と、ちょっと得した気分になりますよね。そんな発見がいくつもあります。
 自転車を使った旅は、運動もできて、その地域のこともよく知ることができるため、とても魅力的だと感じています。自転車は自動車と比べて、行く先々で駐車スペースを確保しやすいので、気軽にふらっと思いつくままに寄り道ができるのもメリットですね。
 友達との旅行にも自転車の利用はお薦めです。サイクリングを通じて、一緒に旅行した仲間と、ふだんと違うコミュニケーションを楽しむことができます。同じ距離を走る、同じようにペダルをこいで運動して、仲間とともにさわやかな休日を過ごすことができると思います。
※後編に続きます。

いなむら・あみ 1996年生まれ。東京都出身。2014年に講談社主催アイドルオーディション「Miss iD2014」に選ばれる。特技の野球を生かし、2015年4月に自動車会社のwebCMで、豪快なバッティングが“神スイング”として話題に。現在、バラエティー、スポーツ番組、CM出演などで幅広く活躍している。2016年、女子プロ野球「埼玉アストライア」神サポーター就任(現在は任期終了)。東京ガールズコレクション公式ランニングチーム「TOKYO GIRLS RUN」 5期メンバー。東京マラソン2017初マラソン完走(タイム5:22:38)。2018年4月から国土交通省の自転車アンバサダーをつとめる。
インタビュー一覧へ

このページの先頭へ