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トリ・アングルINTERVIEW

俯瞰して、様々なアングルから社会テーマを考えるインタビューシリーズ

vol.23半島は日本の台所!

公開日:2020/11/20

A

[ 前編 ]

失意の心を癒やしてくれた房総の景色

アップアップガールズ(2)鍛治島 彩

周囲を海に囲まれた日本列島には多くの半島が存在し、美しい景観のみならず、食も含めた独自の文化や歴史を持つ。アイドルグループ、アップアップガールズ(2)の鍛治島彩さんは、千葉県で生まれ育ち、幼いころから家族で房総半島の各地を訪れ親しんできた。SNSなどで千葉に関するおすすめの情報を自ら発信するだけでなく、千葉県が結成した「オール千葉おもてなし隊」のオピニオンリーダーとしても活動する鍛治島さんに、半島の魅力について語ってもらった。

鍛治島さんにとって房総半島はどのようなところですか?

 私は半島の付け根の、どちらかというと都市部に近い住宅地に住んでいるのですが、房総半島は「癒やしの場所」だと思っています。今年の春、私にとって地元凱旋(がいせん)となる千葉県(柏市)での単独ライブが予定されていたのですが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期になってしまいました。“せっかく準備してきたのに”という悔しさと、この先どうなってしまうのかという不安が積み重なっていたとき、姉が「いいところを知っているから、おいしいものを食べに行こう」と誘ってくれて、内房の海沿いをドライブしました。連れていってくれたところが富津市の「ザ・フィッシュ」という海に面した観光複合施設で、房総の海産物やお土産を売るお店のほか、レストランなどが入っていました。
 私は仕事の関係で東京に毎日のように通っていましたが、都会の“チカチカ”した景色と空気では、もやもやした気持ちからは解放されませんでした。けれども、房総の海沿いの優しい景色に触れ、おいしい海鮮料理をいただいただけで心から癒やされました。

【今年10月に東京都内で開催した初ソロライブ】

※YU-M エンターテインメント株式会社提供

おいしい料理に癒やされたとのことですが、子供のころからよく食べていた地元の食べ物などはありますか?

 ゆでピーナツです。最近驚いたことなのですが、アップアップガールズ(2)のメンバーがゆでピーを知らなかったんです。落花生を塩ゆでしたゆでピーは“大人が食べるおつまみのようなもの”というイメージがあって、子供のころは、父が食べているものをこっそり取って…という、私にとっては後ろめたさを感じながら食べるものでした(笑)。今、大人になって堂々と食べられるのが幸せでうれしいです。それにしても、他県の人はゆでピーをあまり食べないんですね。掘りたての落花生でないと作れないことも大きいのでしょうか。
 落花生といえば、千葉県内にチェーン展開する郷土菓子・和洋菓子の「オランダ家」というお店があるのですが、落花生パイというすごくおいしい名物のほか、千葉産のサツマイモやイチゴを使ったスイーツがあり、お祝いごとや友達が来るとき、どこかに手土産で持っていくときなどによく利用しています。こちらも他県にもあるのだと最近まで思い込んでいました。

お宅では地元の魚をよく食べるのですか?

 ヘルシーだということで、母が海鮮丼をよく作ってくれます。東京から千葉に嫁いだ母は千葉が気に入ったようで、“千葉愛”がすごくて、「ラベルに千葉県産と書いてある魚だけを買ってきて作った『千葉県丼』よ」なんていって出してくれます。先日、食べた丼には千葉特産で秋が旬のサバが入っていておいしかったです。日本各地の半島で魚が自慢だと思いますが、千葉も負けてはいません。

房総半島は南房総国定公園をはじめ、さまざまな観光スポットがあります。思い出深い場所などを教えてください。

 わが家は2世代住宅で、一緒に住んでいた祖母が花が好きだったこともあって、房総半島南端の館山ファミリーパークのポピー畑に家族でよく行きました。ポピーの花々が広がる畑は小さかった私にとってはものすごく大きく見え、花の色の美しさとともに強く印象に残っています。温暖な南房総といえばお花畑のイメージがありますが、私にとって大きなポピー畑は、5年前に亡くなった祖母との思い出と重なる大切な風景です。関東最大級の100万本のポピーは本当に見事で、おすすめです。
 また、犬吠埼から見る景色は絶景ですし、銚子では最近、新しいお店が増えているようです。
 これまで、家族で車に乗って房総半島のさまざまなところに行きましたが、家族にとっては「よし! 今回は泊まりで行こうか」とか、「どこを回るかちゃんと作戦を立てよう」とかいった感じで、房総半島は“気合を入れて行く場所”です。

【オール千葉おもてなし隊結成式での鍛治島さん(左)。右は鈴木愛理さん】

※千葉県提供

「オール千葉おもてなし隊」の活動をされているそうですね。

 東京五輪・パラリンピックが開催されるにあたり、国内外から千葉県を訪れる多くの人に“千葉県に来てよかった”“また来たい”と思っていただけるよう活動するもので、2018年8月に結成されました。「思いやり」「スマイル」「クリーン」を合言葉に、県民の「おもてなし力」をよりアップさせていこうというキャンペーンの一環として、清掃活動などで県内各地に出向きます。そこで皆さんに取り組みについて伝える「オピニオンリーダー」を務めています。
 千葉県は五輪でフェンシング、サーフィン、テコンドー、レスリングが、パラリンピックではゴールボール、シッティングバレー、テコンドー、車いすフェンシングの会場になっています。これまでに、サーフィン会場となる外房の一宮町の海岸や、訪日外国人の玄関となる成田市の駅前などで近隣の住民の方々と清掃活動を行ってきました。
 千葉県は伝統的に清掃活動が盛んで、住民のつながりがそれほど強くないと思われがちな都市部でも多くの人が参加してくれます。県内の各地を訪れて感じるのは、まるで写真集の1作品から切り取ってきたような海辺の景色の美しさと、活動の盛んなことによるごみの少なさです。そして、参加する皆さんのおおらかな性格と笑顔に、こちらも優しい気持ちになります。
※後編に続きます。

プロフィール

かじしま・あや 1999年7月21日生まれ。千葉県出身。女性アイドルグループ、アップアップガールズ(仮)の妹分として2017年2月に結成されたアップアップガールズ(2)のメンバーとなる。同年8月にデビューシングル『Sun!×3/二の足Dancing』を発売、20年10月には東京都内で初のソロライブを開催。18年8月には、千葉県により結成された「オール千葉おもてなし隊」のオピニオンリーダーに就任。趣味はゲーム、特技は小学生のころから8年間続けたバスケットボールと、鼻でリコーダーが吹けること。