かつて日本の水辺には人々が集まり、地域の代表的な顔として美しい風景を織りなしていたが、経済の発展とともに人々の暮らしは水辺から遠ざかり、街並みから背を向けられる状況にあった。他方で近年、都市の再構築の中で、水辺を都市のシンボルとするような空間整備の動きがある。
ミズベリング（MIZBERING）は、「水辺＋RING（輪）」、「水辺＋R（リノベーション）＋ING（進行形）」の造語であり、そうした水辺の新しい活用の可能性を創造していく官民一体の協働プロジェクトである。水辺は、そこに集う人々の心に潤いをもたらし、豊かにする魅力がある。水辺に興味を持つ市民や民間企業が、その自然や歴史を見つめ直し、新たな価値を見いだし、主体的に活用していこうという動きが広がっている。国土交通省では、全国各地で行われるミズベリングの活動を「ミズベリング・プロジェクト」として支援。さまざまな主体が連携し、地域の憩いの場や商業施設が整備されたり、イベントが行われるなど、水辺を中心とした賑わいの輪が次々と生まれている。