建設リサイクルは、天然資源が極めて少ない我が国において、建設分野における３Rの取り組みを充実させることで、循環型社会構築を目指す取り組みの一つである。例えば、コンクリートの塊は、破砕機（クラッシャー）で砕き、道路の路盤材に用いられるクラッシャラン（砕石の一種）として再生される。このほか、建設発生木材はバイオマス発電の燃料、建設汚泥は盛土用土（建設汚泥処理土）、プラスチックなどを含む建設混合廃棄物は分別して、個別品目としてリサイクルされる。国土交通省は建設リサイクル推進に向けた基本的な考え方や目標、具体的施策を盛り込んだ「建設リサイクル計画」を１９９７年から計５回策定している。２０２０年９月に策定された最新の計画では、維持・安定期に入ってきた建設副産物のリサイクルについて、今後は「質」の向上が重要な視点になるとして、建設副産物の高い再資源化率を維持し、循環型社会形成へのさらなる貢献、社会資本の維持管理・更新時代到来への配慮などを主要課題に掲げ具体的施策に取り組んでいる。