寡黙なヒーロー

孤独なまでに寡黙。
この国の今と未来のために黙々とミッションを遂行する名もなきヒーローたち。
職業擬人化シリーズ。

file 052

連続立体交差事業

鉄道と道路の交差部分にある踏切。鉄道と車や人、それぞれの安全を確保するための施設だが、場合によっては、長い踏切待ちにより車の渋滞を発生させ、時には緊急車両の通行をも遮断してしまう。これを打開する解決策が「連続立体交差事業」だ。鉄道を連続的に高架化や地下化することで、一斉に踏切を無くし、まちに暮らす人々に安心と豊かな生活を届ける都市計画事業である。

その工事は長期間に及ぶが、昼夜を問わず、鉄道を止めることは許されない。地上を走っていた鉄道を高架へと切り替える作業は、終電から始発までの数時間で行う必要があるのだ。多くの神業職人の手により、既存の鉄道を切断し、一気に高架へとつなげていくその姿はさながら魔術師のよう。

一夜にして変わる街の景色。これらは長期間に渡る自治体、鉄道事業者、周辺住民等多くの関係者の心血が注がれ結実したものであり、「山溜穿石(さんりゅうせんせき)」を体現したまちづくりのヒーローたちの足跡だ。

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