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公開日:2025/5/26

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観光施設における心のバリアフリー認定制度

高齢者や障害者等の旅行に対する「バリア」を取り除く!

安全で快適な旅行をするための環境整備を推進します! 

discovery Repo

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 みなさんは「観光施設における心のバリアフリー認定制度」の認定マークを見たことはありますか。  観光庁では、観光施設における「心のバリアフリー」を量・質ともに向上させていくことを目指し、2020年12月に「観光施設における心のバリアフリー認定制度」を創設しました。ソフト面のバリアフリー対応や情報発信に積極的に取り組むことで認定を受けた施設は、この認定マークを使用することができます。 今回はその取組の具体的な内容や認定基準などを中心に「観光施設における心のバリアフリー認定制度」について紹介します。

私たちが紹介します

「観光施設における
心のバリアフリー認定制度」とは

観光施設(宿泊施設、飲食店、観光案内所、博物館)を対象とした、観光庁による認定制度です。この制度では、バリアフリートイレやエレベーターなどのハード面ではなく、「心のバリアフリー」というソフト面のバリアフリー対応を求めている点が大きな特徴です。「心のバリアフリー」とは、「様々な心身の特性や考え方を持つすべての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合うこと」(「ユニバーサルデザイン2020行動計画(2017年2月ユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議決定)」より)を目指す考え方です。高齢者や障害者の方など日々の生活に不便や困難を感じている人に対する無関心、偏見、差別を無くし、相手の身になって考えて行動を起こすことを言います。例えば、車いすの方のために簡易スロープを用意する、聴覚障害者の方に筆談で対応する、というようなことです。
ユニバーサルツーリズムの促進に向けた環境整備を進めるなか、観光施設における心のバリアフリー認定制度の認定施設は年々増加しています。2023年1月には515件でしたが、2025年1月には2682件と、5倍以上増加しています。

観光施設における心のバリアフリー認定制度
の認定基準

次の3つの基準をすべて満たしていることが認定の条件です。観光施設を利用されるお客様にとっては「この基準をクリアしている」という安心感につながり、認定マークが旅先での施設選びの目印になると思います。申請をご検討中の観光施設は、観光庁ウェブサイトにある 「申請マニュアル」をご確認いただければと思います。

➀ソフト的なバリアフリー性能を保管するための措置を3つ以上実施している。

取外し可能な浴室用の手すり等の貸出し(左上)、聴覚障害者に対する筆談用のタブレット端末の貸出し(右上)、視覚障害者に対するクロックポジションを用いた配膳の説明(左下)、簡易スロープの設置(右下)

写真の例のほか、車いすの貸出し、音に反応して点滅する室内信号灯の設置、食物アレルギーへの対応など、施設のバリアフリー性能を補完するための措置を3つ以上行い、高齢者や障害者の方が施設を安全かつ快適に利用できる工夫を行っていることが必要です。

②バリアフリーに関する教育訓練を年に1回以上実施している。

厚労省・観光庁が作成した『高齢の方・障害のある方など配慮を要する宿泊者に対する接遇研修ツール』(左上)・研修動画(下)、車いす利用者の介助に関する実技研修風景(右上)

観光施設における心のバリアフリー施設に認定されるには、従業員に対するバリアフリーに関する教育訓練として、従業員教育は、障害をお持ちのお客様へのコミュニケーションやサポートに関する外部研修、厚労省・観光庁が作成した接遇研修ツールや動画を活用した社内勉強会などを、年に1回以上実施していなければなりません。する外部研修、厚労省・観光庁が作成した接遇研修ツールや動画を活用した社内勉強会などです。

③施設のバリアフリー情報を積極的に発信している。

高齢者、障がい者向けのバリアフリー情報サイトに施設情報を掲載

宿泊予約サイト、グルメ予約サイト、市町村のサイトなど、当該施設のウェブサイト以外のサイトで、バリアフリー情報を積極的に発信していることが必要です。また、観光施設における心のバリアフリー施設に認定された施設は、 観光庁ウェブサイトで紹介しています。

「心のバリアフリー対応」が当たり前の社会へ

現在、高齢者、障害者は日本の総人口の30%以上を占めています(下図参照)。 高齢者や障害者などが安心して旅行できるユニバーサルツーリズムの推進のためには、ハード面・ソフト面ともにバリアフリー対応の普及・促進が必要ですが、「心のバリアフリー」という用語はまだ世間の認知度が低いというのが現状です(令和6年1月時点で22%)。今後とも観光庁では、認定制度の普及啓発を通じた心のバリアフリーの理解醸成に向けて、引き続き取り組んでまいります。

観光施設における心のバリアフリー認定制度については、YouTubeチャンネルでご覧いただけます。

観光庁公式YouTubeにおいて、認定の促進並びに高齢者・障害者等の認定制度の認知度及び理解度の向上を促進することを目的として、広報動画を作成・公開しております。

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