こんなところに国交省

知る人ぞ知る取組からちょっと意外なお仕事まで

公開日:2024/12/5

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除雪出動式

国土交通省地方整備局職員×除雪事業者

決意新たに雪と闘う猛者たち

discovery Repo

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冬の道路の大敵と言えば「雪」。特に、いわゆる「雪国」といわれる地域では、大雪による交通機関の麻痺や事故など、命に直結する問題になりかねません。そこで毎年11月頃、国土交通省は雪への備えを本格的にスタート。「雪から人々の暮らしと産業を守る」という決意を皆で新たにするため、地方整備局職員と除雪機械の運転などを委託している業者とともに「除雪出動式」も開催しています。今回はこの「除雪出動式」について紹介します。

私たちが紹介します

24時間体制で暮しを守る「除雪作業」

道路に降り積もった雪を取り除く除雪作業は、基本的に、走行車両の少ない夜間に行われます。地方整備局の職員が天候情報により作業を計画し、除雪機械の配備や運行指示など、マネジメント全般を担当。除雪機械の運転などは受注者に委託し、力を合わせて地域の安全安心を確保しています。
夜間に作業を行うのは、人々が活動し始める朝までに安全に運行できる状態にするためですが、決して「朝になれば除雪作業はおしまい」というわけではありません。除雪業者の「除雪オペレーター」が24時間体制で道路状況を確認しており、雪が激しい場合は日中でも作業が行われます。
ちなみに、除雪車が登場するのは5~10cmを超える積雪や短時間での強い降雪が予想される時です。道路の凍結が予想される場合は凍結防止剤散布車が登場し、急カーブ、交差点、勾配がきつい場所などに凍結抑制剤を散布し、車のスリップや転倒事故を防ぎます。下の画像は「凍結防止剤散布車」以外はすべて除雪車。雪を片側に寄せたり、破砕して吹き飛ばしたり、環境に合わせて様々なタイプのものがあります。

冬の道の安全確保を誓う「除雪出動式」。

除雪機械の調子も万全、冬に向けていざ出陣!

毎年11月頃、北陸地方など各地降雪地域の地方整備局本局では「道路雪害対策本部」、国道事務所では「道路雪害対策支部」を設置し、「除雪出動式」を開催します。これは、除雪作業の受注者、各警察署職員、地方整備局職員が一堂に会し、冬期間における円滑な道路交通の確保を誓うというもの。除雪機械の動作確認なども行い、関係者一同気持ちをひとつにして本格的な雪の季節に備えます。

「道路雪害対策支部」の設置に伴い看板を掲げます。(北陸地方整備局長岡国道事務所:2024年)

関係者が一堂に会し「除雪出動式」を開催します。(北陸地方整備局高田河川国道事務所:2023年)

「地域の人々が安全で暮らせるよう全力を尽くす」と決意表明をします。(北陸地方整備局富山河川国道事務所:2023年)

除雪機械試乗体験で、未来の雪道の守り手を育成

「除雪出動式」は、近隣の小学生を招いて行うことも少なくありません。児童から除雪作業に対する感謝やエールを送られることで、受注者や職員のやる気は大きくアップ! また、除雪機械の試乗体験なども実施し、児童の除雪作業への理解を深めるととともに次代の冬道の守り手候補を育成します。

「除雪シーズンの始まり」を除雪機械の鍵(ゴールドキー)に模し、地域の児童から除雪業者に渡します。(北陸地方整備局羽越河川国道事務所:2023年)

受注者や職員はもちろん、近隣の児童、大事な相棒である除雪機械とともに、今冬の無事を祈って毎年集合写真を撮影。(北陸地方整備局羽越河川国道事務所:2023年)

ゴールドキーには児童からの応援メッセージが記載されている場合もあり、地域からの期待の証ともなっています。(北陸地方整備局長岡国道事務所:2023年)

児童による除雪機械試乗体験。(北陸地方整備局金沢河川国道事務所:2023年)

除雪作業の重要性を理解した子どもたちが、次代の冬道の安全の担い手になってくれることを期待しています。(北陸地方整備局高田河川国道事務所:2023年)

大雪が予想される場合は、出かけない判断も必要。

近年、ほぼ毎年のように、大雪による大規模な立往生が発生しています。自然の猛威の前では、どうしても除雪作業が間に合わないこともあります。大雪が予想されている場合は不要不急の外出は控える、やむを得ず出かける時は、万一に備えて、飲料水、食料、携帯トイレ、モバイルバッテリーなど(参考:教えて!雪ナビ)を車内に準備しておくなど、自分で自分の命を守るための努力も忘れないようにしましょう。

新潟県柏崎市の滞留車の状況(2022年12月)

夜間における除雪作業の現場

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