こんなところに国交省

知る人ぞ知る取組からちょっと意外なお仕事まで

公開日:2024/11/7

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運輸安全マネジメント制度

陸・海・空の運輸事業者に対し、安全文化の構築・定着を働きかけ

「運輸安全マネジメント制度」

危ない!

一時停止の交差点を止まらずに通過したトラックを見かけました。 トラックが止まらなかったのはなぜだと思いますか?

急いでいた!

考え込んでいた!

止まれが見えなかった!

答えはこちら

すべてあり得ます!

「運輸事業」の安全を保つには、原因を考えることが大事!
なんで急いでいたの?焦っていた?仕事のことを考えていた?うっかり見逃した?なんで止まれなかったの?
例えば、バスなら停留所への到着が遅れていたとか、タクシーなら乗客から急かされているとか、トラックなら次の配達のことを考えていたとか、運行する上で危険な原因がいろいろと考えられますね。

「運輸安全マネジメント制度」って?

運輸事業は、乗客や頼まれた荷物を目的地まで安全かつ、確実に届ける仕事です。事故を起こしてしまい、乗客にケガを負わせてしまうことや荷物が確実に届けられないということがないように、輸送手段(鉄道、自動車、海運、航空)の安全運行(運航)が欠かせません。国土交通省では、運輸事業者が事故を起こさないようにするために、運輸事業者の現場における業務状況をチェックする「保安監査」という仕組みがあります。これは、各事業法等で決められた安全に関する基準が守られているのかを確認して、守られていなければ改善命令するといった「事後監督制度」です。「運輸安全マネジメント制度」は、基準を守ることだけではなく、運輸事業者が輸送の安全の確保を最優先と考え、輸送の安全性の確保と向上に継続的に取り組み、安全確保を最優先とする企業文化や風土を創り、定着させる「予防安全型の事業者支援の制度」です。

具体的にはどんなことをする制度?

① 経営トップ等に対し、安全管理体制の構築及び改善に関する取組状況を確認

「運輸安全マネジメント制度」のもと、国土交通省の運輸安全調査官が運輸事業者に赴き、経営トップや安全統括管理者、運輸部長等に対し、安全に関する取組状況についてインタビューを行い、それに関連する資料を確認することにより、運輸安全マネジメント評価を実施しています。
運輸安全マネジメント評価は、企業が生み出し提供する製品やサービスの生産過程、仕組み等の管理体制の規格であるISO9000シリーズを参考とした、従来の行政にはなかった手法であり、制度を開始した平成18年からこれまでに、延べ12,000回以上実施しています。
また、運輸安全マネジメント評価後のアンケートでは、「経営トップの安全に対する意識づけには非常に有効」、「社内で実施している安全への取組みを数年に一度評価頂くことで、社内意識向上や、見直しを行うこと、気付き等が発生し、活性化させることが出来る」など、好意的な回答が寄せられています。

② ポイントは「安全管理体制が適切に機能しているか」

運輸安全マネジメント評価では、事業者自らが構築した安全管理体制がシステムとして適切に機能しているのかについて確認を行います。そして、「創意工夫されている事項」、「熱心に取り組んでいる事項」、「優れている事項」等については評価し、「継続的に取り組む必要があると思われる事項」、「工夫の余地のある事項」、「更に推進すると効果が向上すると思われる事項」等については助言を行います。例えば、いわゆるPDCA(計画、実行、チェック、見直し・改善)サイクルに基づく安全管理体制が適切に構築され、有効に機能しているかどうかという観点から、経営トップをはじめとする経営管理部門が、現場の情報、課題等、自社の安全管理体制を具体的に把握し、現場に対してフィードバックされる仕組みが構築されているかなどについて確認し、評価、助言を行います。

運輸安全マネジメント制度については、YouTubeチャンネルでご覧いただけます。

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