こんなところに国交省

知る人ぞ知る取組からちょっと意外なお仕事まで

公開日:2026/9/30

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空き家対策

社会問題から地域資源へ。

空き家との新しい向き合い方を模索する

空き家は年々増加し、この30年間で2倍強に!

さて、今の日本の空き家の数は、
次のどれに近いでしょう?

愛知県の
世帯数

福岡県の
世帯数

沖縄県の
世帯数

答えはこちら

愛知県の
世帯数

「令和5(2023)年 住宅・土地統計調査」(総務省)によると、2023年の使用目的のない空き家の総数は385万6000戸。これは総住宅数(6504万7000戸)の約5.9%にあたり、愛知県の世帯数を上回っています。1993年の使用目的のない空き家の総数は 148万8000戸でしたから、30年間で倍以上に増加した形です。 今後はこれまで以上に空き家が増加していくとみられ、使われない空き家が増えて管理が行き届かなくなると、衛生環境や治安の悪化、防災機能の低下、景観の悪化など、地域社会に及ぼすマイナスの影響が深刻になります。また、都市部を中心に住宅価格が上がっている一方で、同じ地域にも空き家は増加している状況にあり、実効性のある早急な対策が今、必要とされています。
空き家増加の理由は?
近年、空き家は全国で深刻な問題となっています。国土交通省の「令和6(2024)年空き家所有者実態調査」によると、空き家の取得経緯は「相続」(57.9%)が大半を占めます。空き家が増加する背景には、所有者の高齢化、相続による所有者の世代交代があることがうかがえます。
また、空き家所有者の31.7%は、今後5年程度の意向として「空き家として所有しておく」と回答しています。これは「売却する」(19.5%)を上回って最も高く、その理由の1位は「物置として必要」(55.8%)です。しかし、「解体費用をかけたくない」(47.3%)、「取り壊すと固定資産税が高くなる」(28.2%)という回答も多く、活用や処分の難しさからそのまま空き家として所有し続けるケースも少なくない実態が浮かび上がってきます。さらに、相続前に空き家の活用や処分に関する対策をしなかった空き家は、対策をした空き家と比べて、空き家が解消されない割合(※)が1.5倍にのぼる点も見逃せません。事前の相続対策が空き家化防止に一定の効果があるといえそうですが、残念ながら対策を講じている世帯はわずか23.0%にとどまるのが実状です。
団塊の世代が後期高齢者となった現在、日本は今後、相続件数が急増する「大相続時代」を迎えるといわれています。それに伴い、住宅の相続もさらに増加することが

見込まれます。空き家問題の解決には、相続前から家族で住まいの将来について話し合い、居住や賃貸、売却、解体などを含めた準備を進めることが重要です。あわせて、相続後に住宅をスムーズに活用・処分するための制度や支援のいっそうの充実も不可欠だと言えるでしょう。

※建物の活用(売却・賃貸・居住等)や解体の意向なく、「空き家として所有していた」割合。

「空き家問題」を解決するために
どんな対策が行われている?

①官民連携でスムーズな対応を実現
空き家の増加に伴い、自治体に寄せられる空き家に関する相談も増加傾向にあります。しかし、自治体にも体制や予算の制約があるうえ、「空き家問題」への対応には不動産、建築、相続、法律など様々な専門知識が欠かせません。そこで、よりスムーズな対応が可能になるよう2023年に創設されたのが「空家等管理活用支援法人制度」です。この制度は、自治体が空き家の活用や管理に取り組むNPO法人、社団法人、会社などを「空家等管理活用支援法人」として指定し、それらのノウハウ等を活用しながら空き家対策を官民連携で推進するというものです。現在、全国123の自治体から、延べ234団体が指定を受けており、これからさらに増えていく見込みです。空家等管理活用支援法人は空き家所有者からの相談対応をはじめ、空き家の適切な維持管理に関する助言や利活用の提案などの支援、所有者と活用希望者のマッチングなど、幅広い業務を担います。

地域活性化のために、空き家を地域交流施設として活用。

②活用の幅を広げて地域活性化に貢献
空き家は、単に「管理・除却すべき負の資産」ではなく、地域への新たな人の流れを生み出す資源としても注目されています。国土交通省の空き家対策総合支援事業では、空き家の改修や利活用に取り組む地方公共団体等に対して特定空家の除却や公益的な活用について予算的な支援をしており、その活用を通じて子育て世帯支援や移住促進、地域活性化につなげる取組も各地で進められています。特に近年は、テレワークの普及により二地域居住、多拠点生活など、様々な住まい方、働き方を選べるようになりました。気軽に利用できる二地域居住向けの住宅や短期滞在住宅、お試し居住施設などがあれば、「まずはチャレンジしてみたい」と考えている人にとって、ハードルが大きく下がるはず。他にもコワーキングスペース、地域交流施設など、空き家は従来の「定住」を前提とした住宅としてだけでなく、多様な用途への活用が期待されています。

③住宅価格高騰と空き家問題
近年は都市部でも空き家が深刻な問題となっています。地方では住宅需要そのものが低下している地域もある一方で、都市部では住宅需要が依然として高く、住宅価格が上昇しています。その背景の一つには、住宅ストックの絶対的な不足だけでなく、比較的利便性の高い既成住宅地において相続を迎えた住宅・宅地が十分に活用されず、既存住宅の流通・利活用が進んでいないことが課題として指摘されています。 こうした状況を踏まえ、2026年に創設されたのが「既成住宅地再生推進モデル事業」です。この事業では、高齢化や空き家の増加が懸念される既成住宅地を抱える自治体を対象に、空き家・空き家予備軍の実態調査や将来予測、対策の検討などについて、国が専門家による伴走支援を行います。この支援を通じて、空き家対策を進めるとともに、その流通・利活用を促進し、既成住宅地の再生につなげることを目指しています。

④相続放棄や所有者不明空き家への対応
空き家問題の背景には、経済的・福祉的な課題、親族関係のトラブルのほか、相続に伴う課題もあります。近年では、維持管理の負担が大きいことや活用の見込みが乏しいことなどを理由に、相続放棄が選択されるケースも見られます。その結果、所有者がいない、あるいは所在の把握が困難な空き家が発生する要因の一つとなっています。 こうした空き家が老朽化し、周辺の生活環境に悪影響を及ぼしている、またはそのおそれがある場合には、市町村長が「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、「特定空家等」や「管理不全空家等」として指導や勧告などの措置を講じることがあります。また、所有者が不在である場合や所在が不明である場合には、財産管理制度を活用して所有者不明建物管理人等が選任され、空き家の管理や処分が進められることもあります。しかし、こうした対応はいずれも行政にとって大きな負担となっています。そのため、空き家問題の解決のため、行政は情報提供や相談支援の充実などを通じて空き家対策を支援しています。また、所有者においては空き家を放置すると維持管理の負担や資産価値の低下につながるおそれがあるため、相続発生後の対応だけでなく、生前から将来の住まいや財産の承継について家族で話し合い、方針を共有しておくことが重要です。

空き家は次の世代へつなぐ資産

どれほど充実した制度が整備されても、不動産を所有する一人ひとりが空き家問題と向き合い、適切に管理・活用していかなければ、問題の解決にはつながりません。国土交通省では、「住宅:空き家対策特設サイト」で住まいの将来を考えるための情報や空き家のリスク、適切な管理・活用について分かりやすく紹介しています。 やるべきことはいろいろとありますが、まずは家の片付けと登記の確認が基本です。これを入口として、空き家に向き合う各プロセスの詳細や様々な体験談について、情報発信を行っています。 住宅は個人の大切な財産であると同時に、地域を構成する重要な資源のひとつです。空き家のまま長期間放置すれば、防災・防犯面の問題だけでなく、地域の魅力や価値の低下につながります。価値ある資産として次代に引き継いでいくためにも、まずは自身の住まいの将来について考え、必要な情報を確認してみてはいかがでしょうか。

空き家に関する法律・制度の紹介やお役立ちツールなど、空き家に関する情報満載の「住宅:空き家対策特設サイト」。

国土交通省住宅局の空き家対策ニャビゲーター「あきにゃん」が分かりやすく解説する「YouTubeチャンネル 国土交通省住宅局アキヤリバース」。

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